2013年6月16日日曜日

移民支援のパソコン教室、ネット地図で故郷探す

ロサンゼルスのコリアタウンにある移民支援団体で、ボランティア活動を始めて、3週間がたった。週に一度、午前9時半~11時半の2時間、移民対象のパソコン教室を担当している。

初回の参加者は4人だったが、3回目は9人になった。
参加者の家庭や仕事の都合で、来たり来なかったりするけど、たくさん来てくれるとうれしいものだ。

3回目のこの日は、グアテマラなど中央アメリカ出身の3人、韓国出身の2人、中国出身の1人の大人計7人に加えて、中央アメリカ出身者らの子ども2人も参加して、全員で9人と大盛況だった。
インターネットの地図グーグル・マップを使って、目的地までの移動手段などを確認する方法を練習した。

中国出身のおじさんは、いつも15分ほど早く教室に来る。
そして、教室の窓を開けたり、長机を置いたり、準備を手伝ってくれる。
このおじさんは、右ひじから先、左手首から先がないが、窓も長机も手際よく扱う。
パソコンも、右ひじでクリックして、文字を書いたり、ネットを使ったりできる。

おじさんは、中国の朝鮮族なので、韓国語/朝鮮語が話せる。
英語が苦手なので、僕が隣に座って、初級・韓国語を無理くり使って対応することもある。けど、この日のように、参加者が9人もいると、なかなか十分に相手ができない。
どうしようかと思っていたところ、韓国出身のおばさんが僕が英語で言っていることを韓国語で彼に伝えてくれた。

一方、この日、参加してくれた子どもたちはアメリカ生まれなので、英語の方が得意。僕に対しても英語で話しかけてくる。
だから、お母さんにはスペイン語で、子どもには英語で説明した。
メキシコ人のお母さんと一緒に来た男子小学生は「ラス・ベガスの地図が見たい。おじさんが住んでるから」と言って、ラス・ベガスの地図や写真を検索して楽しんでいた。
お母さんはメキシコの故郷の地図を検索。道路を歩いているような感覚で現地の写真が楽しめる機能ストリート・ビューを使って、懐かしい景色を楽しんでいた。

この団体の支援を受けている移民らの中には、メキシコ以南出身の非合法移民もいる。
非合法移民がメキシコ国境を行き来することは、1990年ごろまでは珍しくなかったが、現在は国境警備が強化され、ひとたび母国に帰ると、アメリカに再入国することが難しくなったという。
そういう人たちにとって、母国は帰りたくても帰れない場所だ。
インターネットの中とはいえ、自分の故郷の景色を見て、いろいろ感慨深い気持ちになる人もいるのではないかと思った。

活動を終えて、午後に友人らと会った後、夕方に帰宅した。
注文していた地球儀が届いていた。
くるくる回す。この球体の中で、みんな生きているのか。
グーグル・マップと同じ世界地図だけど、地球儀には、地球的世界ともいうべき、球体でしか表現できない世界がある、と感じた。

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