2012年10月6日土曜日

エスニックなロサンゼルスの日本

ロサンゼルスは、グローバルシティともいわれるだけあって、ありとあらゆる国の人々に出会える。
そうした人たちの胃袋を支えるのがエスニック・スーパーマーケットだ。

大多数の移民を送り出している中南米の国々の食材は、もうエスニックマーケットに行かずとも一般のマーケットでほとんど手にはいる状況だが、多くの移民を送り出す中国や韓国などの良質の食材を集めたいなら、やはりエスニックマーケットに行くのがベストだ。

一般のスーパーでは中南米の食材が簡単に手に入る。アボカド(手前)は日本でも一般的だが、ヒカマ(左)やチャヨーテ(右)は日本ではまず食べないだろう。ヒカマはスライスにしてサラダに、チャヨーテはスープの具材にぴったり

ありがたいことにロサンゼルスには、戦前から日本人移民の集住地であったこともあって、今日でも日系スーパーが10数件ほどある。かつお節であれ、うまい棒であれ、日本の野菜(こちらでは一般的ではない、日本のキュウリなど)であれ、だいたいのものは手に入る。もちろん、ものによっては値段が高いけど、これがないとあの和食が作れないといった材料であれば、買う価値があるだろう。もちろん商品説明などの案内もすべて日本語だ。

先日、そのうちの一つに買い物へ。サンマ2尾が1.5ドル(120円相当)で売っていた。魚の中ではサンマが一番好きなのと、こちらに来てから肉食が中心だったので、気分も高まる。ついでに納豆も買って、その日の夜に食べた。サンマも鮮度は落ちておらず、肝の味まで日本で買った場合と変わらなかった。

サンマ、納豆、味噌汁、ごはんと日本と変わらぬ食材が手に入るロサンゼルス。質素・・・

さらに、スーパーと併設したフードコードでは、日本でも有名なラーメン店や天丼屋などの食事が食べられる。サンマもおいしかったし、ここは間違いないということで、後日、アメリカ人の友人と妻の3人でラーメン屋に食べにいった。

ロサンゼルスでは近年、日本のラーメンの人気が高まっており、そのアメリカ人の友人もかなりのラーメン好きだ。喜ぶだろうと思って彼を誘ったものの、実際に食べてみると、日本の店舗で食べる商品とまったく違っていた。
スープはそこそこ同じだけど、麺は明らかに別物。太いあげ麺をふやかしたような麺でコシもなく味もわるい。
「残すのは申し訳ないけど」と言って半分以上残したアメリカ人の彼は、最後に「本当においしいラーメン店があるから、こんど連れて行ってあげる」と言ってくれた、というか、言われてしまった。アメリカのラーメンはアメリカ人に聞いたほうがよいかもしれない。

ところで、こうした日系スーパーは、ロサンゼルスで暮らす日本人の情報交換の場ともなっている。
とくにスーパー入口に山積みされた「羅府テレフォンガイド」は必携らしい。ロサンゼルス内の飲食店、病院、弁護士事務所、料理教室などの電話番号が日本語で書いてある。また、自動車を購入したり、病院に通ったりする場合などの生活アドバイスも充実しており、ロサンゼルスで生活を始めたばかりの日本人にとって大きな助けになるだろう。

羅府テレフォンガイド
ロサンゼルスは日本人が7万629人住んでおり、世界で最も日本人が多く住む海外都市だ。外務省の海外邦人数調査統計(2011年10月1日現在)によると、そのあとは上海(5万6481人)、ニューヨーク(5万4885人)、大ロンドン市(3万6717人)、バンコク(3万5935人)と続く。
ロサンゼルスの日系の都市としての基礎は、戦前の日本人移民が築き上げた。そうした歴史的な都市に、戦後も日本から人々が移り住み、これらの日系スーパーに象徴されるような、日本人のエスニックコミュニティをつくりあげている。

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