2012年10月24日水曜日

アメリカ大統領選、投票ウィキで最新情報を

11月6日はアメリカ大統領選の投開票日。
この国の4年に一度の国民的イベントを現地で見られることはラッキーだ。

大学のキャンパスを歩いていると、民主党・共和党の支持者がそれぞれ学生らに有権者登録を呼びかけている。

「外国人なので投票はできないんですが、ちょっと興味があるので、一枚いただけますか」と民主党の支持者から、有権者登録票をもらった。登録票の束のとなりに、オバマ氏の写真も。

氏名、住所、生年月日、運転免許証番号、社会保障番号(Social Security Number)などを登録票に記入した後、署名して、ロサンゼルス郡の関係事務所に郵送するという仕組みだ。日本のように20歳を過ぎれば、投票案内状が届き、投票日を待つという仕組みとちがって、アメリカでは有権者登録をしないとアメリカ市民であっても投票できない。ちなみに、登録に関する電話での問い合わせは、スペイン語、中国語、ベトナム語、日本語など9ヶ国語で対応している。

内側に記入して、そのまま郵送できる有権者登録票

「オバマ氏のチラシを置いているということは、ここでは民主党の支持者が有権者登録を呼びかけているってことですよね。共和党支持者もやっているんですか」と聞くと、「ええ。彼らは向こうのほうでやっているんじゃないかしら」とのこと。
ちょうど登録票に記入していた学生が「このサイトを見たらいろいろ情報がありますよ」と、「バロットペディア(Ballotpedia、Ballot=投票)」というサイトを教えてくれた。

このサイトをのぞいてみると、なかなか興味深い。
スタッフとボランティアらがアメリカ国内の投票に関する、あらゆる情報を書き込み形式で更新しているウィキサイトだ。内容はかなり充実している。1916年に設立された女性参政権運動団体を基盤とした非営利団体がスポンサーとなっている。

もちろん今年の大統領選の関連ページもあるが、テーマ別ページもおもしろい。
死刑、中絶、タバコ、水・・・と約90のテーマそれぞれについて、アメリカ国内各州で行われた直接請求などの投票結果が詳しく説明されている。

「移民(immigration)」のテーマを選んでみると、関係する各州の投票結果がずらりと並び、それぞれの州の移民に対する法的な姿勢がよくわかる。たとえば、1994年のカリフォルニア州の「提案187号」をクリック。この提案は、非合法移民への公的サービスを否定するのが目的。州内の投票では可決されたが、その後、連邦裁判所が無効とした。カリフォルニア州で急増した非合法移民への反感・懸念を象徴する提案として、よく知られている。

有権者登録に話を戻すが、近所の運転免許試験場(Department of Motor Vehicles)に行ったときも、試験申請と同時に有権者登録もできるようになっていた。アメリカでは歴史的に人種・エスニシティ少数派の投票率が低い。
運転免許試験場は、人種・エスニシティにかかわらず、誰でも来るので、ひろく投票を呼びかけるのに適した場所なんだろう。

僕が通う大学院では、授業中に先生が「昨日の大統領候補者討論会、見た?」「授業はここまで。これからオバマとデートがあるから(討論会中継を見るから、という意味)」などと大統領選にふれることがしばしば。残り2週間にせまった投開票日に向けて、アメリカ市民の関心もますます強まっていくだろう。

3回目の大統領候補者の討論会では、外交について民主党で現職オバマ氏(右)と共和党のロムニー氏が議論した=テレビ映像から、10月22日撮影
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