2012年8月22日水曜日

「アメリカンチーズ」とは何か

サンドイッチなどに挟んで食べようと、スライス状の「アメリカンチーズ」を買った。
8センチ四方24枚入り。マクドナルドのチーズバーガーのそれのように黄色い。。
数あるチーズの中でこのチーズを選んだ理由は「アメリカに住むんだから、アメリカンチーズで」、また「そもそもアメリカンチーズってどんなチーズや」と思ったからだ。

日本ではプロセスチーズとして知られている「アメリカンチーズ」

調べてみると、日本でいうプロセスチーズのことだった。
広辞苑には「数種のナチュラル‐チーズを原料にし、それを混合・加熱・溶解して作る加工チーズ」とある。
それがアメリカではかなり普及したため、それを「アメリカンチーズ」と呼ぶようになったという。

それはそうとして、「数種のナチュラルチーズを原料に、それを混合・加熱・溶解して・・・」というのは、ある意味では、この国の文化を象徴したような表現だ。
アメリカンチーズならぬ、アメリカンカルチャーも、地域によってかなり異なるものの、なにか一つの民族集団のそれではなく、移民が持ち込んだ数多くの文化を原料に、それが混ぜ合わさっていたり、必ずしも混ぜ合わさってなくても、混在したりしてできている。

しかし、だからといって、アメリカの文化は「ナチュラルではない」というわけではない。
そもそも、ナチュラルな文化なんてないんじゃないだろうか。
僕らが「ナチュラル」もしくは「トラディッショナル(伝統的)」と思い込んでる文化も、さまざまな要素が長い年月をかけて影響しあって生まれている。
それはチーズもしかり。ナチュラルチーズ自体、いろいろな栄養素に分解できるし、そもそも人間の手が加わっており、ナチュラルというより、アーティフィッシャル(人工的)なものといえるだろう。逆に、プロセスチーズであろうが、化学調味料まみれであろうが、宇宙から見下ろした地球上で起きていることと考えれば、すべてナチュラルだ。

そう考えると、アメリカの文化はナチュラルなプロセスカルチャーともいえる。同じように、アジアやヨーロッパの文化は、プロセス済みで現在も日々プロセスされているが、それを抱える人たちがナチュラルと思い込んでいるカルチャーともいえる。

だからこそ、アメリカンチーズはとても味わい深い。

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