2014年7月3日木曜日

国際空港、移民の管理と人生の節目

先日、2年ぶりの日本一時帰国から、ロサンゼルスに戻った。

ロサンゼルス国際空港に着陸するため高度を下げるジャンボジェット機の窓からロサンゼルスの近代的で乾いた街並みが見える。懐かしさと新鮮さが混じったような感覚になる。

ロサンゼルス国際空港上空から見た市街地

妻と一緒に入国審査を受ける。パスポートやビザなどの必要な書類はすべてそろえていても、入国審査を通り抜けるときは、アメリカという国家に入国してよいか試されるある種の緊張感がある。

しかし、実際は「何か食べものは持ってきましたか」くらいの質問ですんなり通過し、無事にアメリカに入国。手荷物引き渡し場所でスーツケースを拾い、空港職員に税関申告書を手渡す。以前はI-94という出入国カードも記入して提出していたけど、2013年から自動化されて必要でなくなったようだ。

多くの人間を飛行機という密室に閉じ込めて、雲の上に放り投げ、空港ビルという限定された建物に届け、漏れなく入国審査などの関門を通り抜けさせる仕組みは、外国人を管理する上ではとても効率がいい。とはいえ、外国人がみんな空路を使って渡米するわけではない。

日本で暮らしていると、陸路で国境を越える感覚が薄いから、何気なく外国のことを「海外」と呼び、外国に行く方法は海を越える空路だと考えてしまう。多くの国にとって外国は海の外とは限らない。

そういう意味では、外国に行く際に、ほぼ空路しか選択肢がない日本出身者は管理しやすい外国人であるともいえる。

というわけで、日本からアメリカへの移動を両国の政府にしっかり管理された後、空港ビルの外へ出た。ロサンゼルスの青空が広がる。バスを乗り継いで帰宅。荷物は重かったけど、なんだか気持ちは軽かった。


その2日後、ロサンゼルスでお世話になった日本人夫妻がアメリカ生活を終えて帰国するため、同じロサンゼルス国際空港に見送りに行った。

国際空港には、ここからアメリカ生活を始める人もいれば、ここでそれを終える人もいる。そこには楽しさや寂しさなど感情が伴う。

国際空港は移民の動きを管理するだけでなく、それぞれの移民の人生に節目を与える場所でもある。

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