2014年4月6日日曜日

ミャンマーのイスラム教徒、少数民族の憩いの場

ロサンゼルスで暮らす移民集団は、それぞれ何らかの憩いの場を持っている。
今日、妻と夕食を食べに行った料理店もそういう場所の一つといえる。

「インド料理が食べたいな」と適当にインターネットで調べて、人気のありそうな安めの店「Jusmin Market」へ。
自宅アパートから車で10分弱で到着。さっそくタンドリーチキンセットとチキンカレーセット(各6.9ドル)を注文した。

料理を待っているとき、妻が「ビルマ(ミャンマー)って書いてある」と店内の壁に飾ってあった雑誌の切り抜きを指差した。料理のメニューはインドっぽいので、どうしてミャンマーなんだろうかと思い、記事を読んでみた。

店内に飾ってあった雑誌の切り抜き。「ミャンマー人の隠れ家(的料理店)、ジャスミン・マーケットで、イスラム系ミャンマーの香りを」と書いてある。

記事によると、どうやらこの店はミャンマー人イスラム教徒の料理店らしい。イスラム法に則って調理されたハラール料理を安価で提供し、出身地を問わず、さまざまなイスラム教徒が訪れる。店内にはコーランをモチーフにしたような飾りも置いてあった。

それまでミャンマー人の外見は東南アジア人と東アジア人の間くらいというイメージだったが、この店の店員は南アジア人に近かった。

家族客を中心にどんどん客が増え、店内6席が満席になった。女性客はスカーフを被り、男性客もイスラム教徒の伝統的な服装の人がちらほら。子どもたちは英語を話していたので、きっとアメリカ育ちなんだろう。店長のおじさんは大人には母国語で、子どもたちには英語で話しかけていた。

イスラム教徒の伝統的な服装で来店した親子(写真左)

記事によると、ロサンゼルス郡西部にはミャンマー料理店は少ないらしい。ロサンゼルスで暮らすミャンマー人イスラム教徒にとって、この小さな料理店は家族や仲間と楽しく時間を過ごす貴重な場所になっている。

注文した料理が運ばれてきた。ビルマ風カレーは、カレースープのような感じですっきりした味わい。料理と一緒に緑色のドレッシング2種類もついてきた。一つは唐辛子とヨーグルトを混ぜたようなもの、もう一つはミントと何かを混ぜたようなもので、どちらも何か分からないけど、タンドリーチキンにかけて食べると、チキンのスパイスと混ざって美味しかった。

タンドリーチキン(写真手前)など料理は全て使い捨ての皿に盛られてくる。水もセルフサービス。堅苦しくなくて居心地がいい。


ミャンマーの人口は約6千万人。その9割が仏教徒で、残りがイスラム教徒やキリスト教徒だ。

NHKが昨年、ミャンマー国内の仏教徒とイスラム教徒の対立について特集を組んでいる。
バングラディシュ国境に隣接するミャンマー西部にイスラム教徒は多く、多数派のビルマ族と異なる民族の人々が多いという。ミャンマー国内では近年、一部の仏教指導者の活動やビルマ族の自民族中心主義によって、少数派のイスラム教徒を排斥する運動が強まり、対立が深まっているらしい。

インド料理店と勘違いして訪ねたミャンマー料理店。思いかげずミャンマーのイスラム教徒について知る機会を得た。日本を含めて、ほとんどの国に少数派の人々がいる。あまり知らない国について考えるとき、まず、そうした少数派の状況を把握するように心がけていきたい。

・NHKの特集を紹介したサイトは、こちら

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