2013年9月22日日曜日

郵便局の日常、カリフォルニア社会の多様性

近所の郵便局に向かった。
コスタリカの友人が現地特産のコーヒーを送ってくれたが、配達時に僕が家にいなかったので、郵便局まで取りに行った。

この郵便局には、いつもたくさんの人が訪れている。
窓口前に並ぶ人たちは、初対面でも、いろいろと話し出す。アメリカの日常だ。
この日は元軍人の白人のおじいさんと、かつて夫が海軍にいて、今は息子が海軍にいる白人の奥さんが話していた。

奥さんは「夫は冷戦時にロシア(当時ソビエト連邦)の潜水艦を探知する仕事をアイスランドでしていたんですよ」などと話した後、「Thank you for your service」とおじいさんに声をかけて窓口に向かった。
アメリカに住むと、軍人や元軍人に、人々がこの言葉をかける場面をしばしば見かける。

僕の前には、3歳くらいの男の子を連れた、メキシコ系の小柄な女性が並んでいた。オアハカ州出身の人かなと思った。夏休みにボランティア活動をした移民支援団体に来ていたオアハカ州出身の人たちと、なんとなく面影が似ていたからだ。

窓口の郵便局員はみんなアフリカ系の人たちだ。アメリカでは、多くのアフリカ系の人々が、公共性の高いサービスを提供する施設で働いている。僕のアパート最寄りの自動車運転免許試験場(DMV)の職員も、9割以上がアフリカ系の人たちだ。
歴史的に抑圧を受け続けてきたアフリカ系の人たちが安定した生活を送るために努力し、闘ってきた結果とも考えられる。一方で、アフリカ系の人々が、アメリカで社会上昇する際に重視されている起業家精神を育むことが難しい社会状況も残っている。

郵便局の利用者だけでなく、郵便局員もおしゃべりをしながら働いている。こういう感じは好きだ。
隣の窓口の女性職員が、僕の窓口の女性職員に「お昼、マクドナルドに行こうと思うんだけど、どうする」と話しかける。おなかが減った。
女性職員に不在届と免許証を見せてしばらくすると、コスタリカから届いた小包を持ってきてくれた。

郵便局は遠いところにいる家族や友人と、手触りのある手紙や小包を通してつながることができるから、昔から好きな場所だ。この日も、こうしてコスタリカの友人とつながることができた。またお返しに何か送ろうと思う。

コスタリカの友人が送ってくれたコーヒー。コスタリカのホストファミリーが飲んでいる商品(左)と、友人のおすすめ(右)。

郵便局に訪れただけでも、カリフォルニア社会の人種・エスニシティの多様性を実感できる。僕も、この郵便局に来たアジア系男性として、この多様性の一部になっている。昨年、渡米したころは、こうした場面がとても刺激的だった。けど、一年が過ぎて、この多様性が徐々に日常的になってきた。日常的になると、見えるものもあるけど、見えなくなるものもある。見えるものも、見えなくなるものも、どちらも見ていきたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿