2014年8月6日水曜日

仏教会でお盆祭り、日本語や太鼓の教室も

この日曜日はガーデナ市の仏教会で毎年恒例のお盆祭りがあった。お世話になっているご家族と一緒に出かけた。

この仏教会は浄土真宗(西本願寺)の拠点の一つで、1926年からガーデナ市で活動している。

寺の敷地内には、巻き寿司やトウモロコシを売る店などが並び、多くの家族連れでにぎわっていた。「Fishing」というコーナーでは、水槽に大きな魚の形をした玩具がいくつも入れてあり、子どもたちが釣り針を玩具にひっかけて景品をもらっていた。大人たちはビンゴ大会を楽しんでいた。こうした出店は仏教会のメンバーの支えあいで運営されている。

店が並ぶスペースの隣には立派な仏教寺院がある。仏教会のメンバーが資金を出しあって建設したという。

本堂内の見学会に参加した。日本出身の住職が寺の歴史や活動について説明してくれた。毎週日曜日にはダルマスクールという教室があり、浄土真宗の教えを学んだり、仏教関連の催しに参加したりしているという。また仏教会は1928年から日本語教育にも力を入れており、今でも多くの子どもたちが勉強に励んでいる。

ガーデナ仏教会の本堂

見学会を終え本堂を出る。寺のすぐ隣の車道を閉鎖してつくったステージでは、仏教会の太鼓グループの若者たちが太鼓を演奏していた。演奏が終わり、しばらくするとメインイベントの盆踊りが始まった。アフリカ系や白人など日系人ではない人々もたくさん参加していた。

太鼓グループの演奏。1984年から活動している。

音楽は一般的な盆踊りの曲にくわえ、スペイン語の曲もあった。何度もお盆祭りに来ているご家族もスペイン語の盆踊りは初めて見たという。おそらく地域で暮らすラティーノ住民を歓迎する意図もあるんじゃないか、ということだった。

浴衣を着て踊る人もたくさんいた。

仏教会では高齢化が進み、メンバーは減少傾向にあるという。けど、今でも仏教会を拠点に若い世代が日本語を学んだり、太鼓を練習したりしている。また、お盆祭りは日系人以外の人々も広く楽しめるように企画されており、実際に多くの人でにぎわっていた。

これから数十年後、どのような形でお盆祭りが続いているか見てみたいと思った。


先月は別の仏教会を少しだけ見学する機会を得た。

ロサンゼルス郡の西にあるベンチューラ郡に暮らす日系人のご家族を訪ねた。そのとき、同郡オクスナード市の仏教会まで車で案内してもらった。

アメリカでは日系人仏教徒が寺のことを「Temple(寺)」ではなく、キリスト教の教会のように「Church」と呼ぶことが多い。アメリカ国内の排日感情を緩和するために歴史的にそう呼んできたのか、単純に日常英語として使いやすいのか。いずれにせよ呼び方だけの問題と思っていたけど、実際に案内された建物はかつてキリスト教徒が使っていた本物の教会だった。

オクスナード市の仏教会

おそらく建物正面にあっただろう十字架は外され、仏教の教義を示す法輪の飾りが付けられていた。信仰の場所であるのに変わりはない。異なる宗教間で距離を置きすぎず、柔軟に建物を再利用している。アメリカでは宗教が集団間の対立の要素になってきたこともあるだけに、こうした宗教施設の柔軟な再利用には好感を持った。

その近くに仏教会がかつて使っていた別の建物もあると聞き、案内してもらった。第二次世界大戦中に強制収容を経験した地域の日系人はこの建物に家財の一部を保管したという。興味深いことに、この建物も日系人が使わなくなった後、ホームレス支援などを行うキリスト教系非営利団体が引き継いでいる。

オクスナード市に残る仏教会を案内してもらい、宗教施設の利用と移民の歴史の関係について考えさせられた。

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