2012年6月18日月曜日

ロサンゼルス暴動を学ぶ

ロドニー・キングさんが17日、カリフォルニア州リアルト市内の自宅プールでなくなったという。年齢は47歳。CNNの速報では、事件性は低いらしい。

http://edition.cnn.com/2012/06/17/us/obit-rodney-king/index.html?hpt=hp_t2

1991年、ロサンゼルス市の白人警察官がアフリカ系(黒人)のキングさんを暴行し、その様子を目撃した市民の録画ビデオが公開された。翌年、暴行に関与した警察官全員が無罪となったため、アフリカ系を中心に不満が爆発し、米国でももっとも大きな市民暴動の一つ、いわゆるロサンゼルス暴動につながった。

僕は2005年、カリフォルニア州の大学に留学中、たまたまロサンゼルス暴動が起きた背景と再発防止について学ぶ授業をとっていた。

この暴動は、さまざまな人種・エスニック集団の低所得者層が暮らすダウンタウン周辺がおもな現場だった。そのため、白人とアフリカ系の対立にとどまるものではなく、暴動の被害を受けた商店主には韓国人移民が多く、暴動に加わった住民にはラティーノ(中南米系)も多かった。

授業では、暴動の激しかった地域に見学に行った。暴動後は、アフリカ系と韓国系の人々の相互理解を深めるため、韓国系商店主がアフリカ系住民を雇うなどの取り組みが進んだらしく、そうした店の様子も見ることができた。
先生の話で印象的だったのは、そうした低所得者層地域のテコ入れの象徴として、スターバックスの店舗も設けられたということだった。グーグルマップで確認すると、まだ営業しているようだ。

授業のレポートのために、僕は当時リトルトーキョーで暮らしていた日本人にインタビューし、日系新聞「羅府新報(Rafu Shimpo)」の関連記事を調べた。ある観光案内所のスタッフは「観光面では『9.11』より影響は大きかった」と話していた。

キングさんが亡くなったことで、今年はこの事件をあらためて振り返る報道や研究も出てくるだろう。そのような年に僕自身が再びロサンゼルスに向かうこともなにかの因果だろうかと思いつつ、キングさんの冥福を祈りたい。

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