カジノやショーなどの娯楽産業が代名詞のラスベガスにはロサンゼルスから飛行機で50分ほど。現地の空港内にはスロットマシーンがずらっと並んで観光客を出迎える。空港から専用バスに乗って巨大なレンタカー会社総合ビルに向かった。そこで予約していたセダンタイプの車はドッジ(Dodge)社の赤い車が出てきた。ドッジ兄弟が設立した同社は昨年で創業100周年。自分では絶対に選ばない車種と車両カラーだけど、初めて乗るアメリカ車だから楽しい。
ラスベガス・マッカラン空港内のスロットマシーン |
アクセルを踏んで噴水ショーが有名なホテル・べラジオ(Bellagio)へ。一泊一室150ドル程度と高級ホテルとしてはお手頃。カジノ付きのホテルは、ギャンブルで収益を上げるため、ホテル宿泊料が安いと聞いたことがある。ギャンブルに興味のない僕らとしてはありがたい。
とはいえ、ちょっとはカジノを体験したい。ホテル内の大きなカジノで最初に目に入った25セント用のスロットマシーン前に座った。5ドル札紙幣を入れる。スロットを止めるタイミングは機械がコントロールするため、こちらとしては何もできない。どんどん金額が減っていく。やっぱりこんなもんかと思っていたとき、カジノ用のメンバーズカードかクレジットカードを売る女性が近づいてきた。
あきらめ半分でスロットのボタンを適当に押しながら、「けっこうです」とカードの勧誘を断っていると、突然スロットが騒がしくなった。セールスの女性が去ってスロットを確認すると、色違いの「7」が三つ並んでおり、一気に60ドル儲かった。
スロットに座ってものの5分で60ドル。よっしゃ、じゃあ、もう一発いったろか、というギャンブル精神には火はつかず、というか火をつけず、60ドル得したままカジノを後にした。
スロットマシーンに5ドル掛けて60ドル獲得した。 |
夕食はカジノ付きホテルの特徴である豪華バイキング(Buffet)へ。ラスベガスにとって60ドルは塵のような金額だろうけど、一応60ドル「勝った」ので一人35ドルの夕食も心なしか余裕あり。ステーキやズワイガニなどがずらっと並び見ているだけで楽しくなる。料理の質はそこそこという感じだった。夕食後はギラギラしたショッピングモールを眺めつつ、別ホテル内の劇場でシルクド・ソレイユのショー「KA」を観てから、自分たちのホテルに戻った。
アメリカ国内外から来た多くの観光客でにぎわう中心部。ところどころに売春を斡旋するカードを配る人もいた。 |
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砂漠の真ん中に現れた娯楽の首都ラスベガスはネバダ州を代表する都市だが、その華やかさを陰で支えているのは多くの非合法移民労働者だ。
ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)の2012年の調べでは、ネバダ州人口に対する非合法移民の比率は7.6%で全米で最も高い。さらに、その労働人口に対する割合は10.2%にも上る。ネバダ州で暮らす子どもの6人に1人は少なくとも一方の親が非合法移民だ。
非合法移民の多くはラティーノ。そうしたラティーノ票を支持基盤の一つとするバラク・オバマ大統領は、非合法移民の合法化を含む移民制度改革を主要課題の一つに掲げており、2014年11月には、その方針を発表する舞台としてラスベガスを選んでいる。
ラスベガスには、夢見心地に余暇を楽しむ世界中の観光客と、それを支える非合法移民が集中している。観光客の可視性と非合法移民の不可視性が、この街の幻想を生み出している。
ホテル・べラジオの噴水ショー |
ピュー・ヒスパニック・センターのサイトは、こちら。
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