2014年4月5日土曜日

日本語を教える、日系人の子どもと交流

妻が一ヶ月ほど前から、ロサンゼルスにある日本語学校で働いている。
週末に3時間半、日系人の小中高生7人に日本語を教えている。
第二次世界大戦前に渡米した日本人移民の子孫である日系5世の生徒もいる。
妻のように数年前に渡米した日本人と、100年近く前に渡米した日本人の子孫が交流するよい機会にもなっている。

日本語を教える仕事は妻にとって初めての経験だ。
生徒の一部は日本語をある程度話せるが、多くの生徒は話すにしても書くにしても練習が必要だ。
子どもたちにとって分かりやすいように、文法的な説明は英語でしている。

先週は数の数え方を勉強した。
英語では「one, two, three」で済むところが、日本語では「いち、に、さん」が「ひとつ、ふたつ、みっつ」になったり、「ひとり、ふたり、さんにん」になったりする。
さらに車なら「一台、二台、三台」で、紙なら「一枚、二枚、三枚」と数字の後ろにくっ付ける言葉も変化する。

その日は、生徒から「動物はなんて数えるんですか」と質問があった。妻は「いっぴき、にひき、さんびき」と答えたが、動物の種類によっては「いっとう、にとう、さんとう」と呼ぶこともあると教えた。

英語にはない助詞の使い方を理解するのも難しい。
別の生徒は「なんでいろんな意味の『に』があるんですか。なんでこんなにややこしいの」と言った。たしかに「だれだれに話す」「どこどこに行く」「どこどこにある」など「に」はややこしい。いくつか違う使い方を説明した後、妻は「英語を勉強している人には英語の前置詞もややこしいんだよ」と付け加えた。

各46種類のひらがなとカタカナだけでなく、漢字もたくさん勉強しないといけない。妻は日本語を教える経験を通して、文字の種類や数の多さなど、その難しさを改めて実感している。

「子どもたちの注意をひきつけるのがたいへん」という妻。昨年の夏まで一年間、通っていた英語教室の先生の教え方を参考にしている。ずっと教室の前で解説するのではなく、生徒それぞれに日本語で話しかけたり、生徒をグループに分けて会話練習をさせたりしている。先週は「バスケットボールとサッカーとどちらが好きですか」「〇〇のほうが好きです」という会話の練習をした。

授業の合間の休み時間には、生徒の保護者らがハワイ出身の日系人の間で生まれたスパムおにぎりなどを売りに来る。学校では、年明けの餅つきやひな祭りなど日本の伝統行事も行う。妻いわく「そうした行事は日本の子どもたちよりもたくさん経験してそう」と話す。

授業内容を考えたり、宿題を作ったり、初めての作業でたいへんなこともあるけど、日系人の子どもたちと交流しながら、日本語を外国語として理解する機会になっている。日本では、日本語を教えることに関心がある人のための日本語教育能力検定試験がある。妻も「いつか受験できたらな」と話している。

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