夏休み中、コリアタウンで活動している移民労働者支援団体で、ボランティア活動をすることになった。
アメリカで移民関連のボランティア活動をしたいと、渡米前から考えていたので、とてもうれしい。
この団体で今月末まで活動していた日本の友人が、このボランティア活動を紹介してくれた。
感謝の一言だ。
週に一回、午前9時半~11時半、団体事務所の一室で、近所に住む移民にパソコンの基本的な使い方を教える。
僕の最初の活動日は30日。この日、パソコン教室に参加したのは、中南米系の中年男性と若い女性、中国出身・朝鮮族の男性、韓国出身の女性の4人だった。中国と韓国出身の二人は、60~65歳くらいだ。
文書作成とインターネットの利用方法を組み合わせた作業の練習をした。
マイクロソフトのワード文書に、名前と日付、そして好きな野菜や動物などの英単語を書いてもらった後、その英単語でグーグル検索した画像をコピー。次に、その画像を元のワード文書に張り付けて、文書を保存してもらった。
中南米系の女性は、「I like watermelon」と文章を書いた後、スイカの画像をグーグルで探してコピー。文章の下に、画像を張り付けると、にっこり。
文章に「too much water」と書き加えたかったようだが、スペルが「tomach water」となっていたので、正しいスペルを伝えた。
「次はwaterで画像を探してみたら」と促すと、彼女はハート型の滴の画像を見つけ、スイカの画像の下に張り付けた。
それぞれペースは違うけど、彼らの反応から、文章と画像をネットを使って組み合わせる楽しさや便利さは分かってもらえたと思う。
彼らは、ほとんどパソコン経験はない人たちなので、文章作成中に「Enter」で改行することから教えないといけない。「右クリック」と「左クリック」を使い分けることなどは、やや難しい作業になるので、これから繰り返し練習したいと思う。
また、参加者はみんな英語が苦手なので、スペイン語と韓国語も使って説明した。
言語が好きな僕としては、韓国語は初級であるとしても、英語とスペイン語、韓国語の3ヶ国語が使える環境はとても刺激的だった。
しかし、パソコンと英語の理解度が異なる4人の参加者を一人のボランティアで指導するのはなかなかきつい。教室が始まって40分ほど経つと、スペイン語が話せるボランティアの女性がサポートに加わってくれたので、とても助かった。彼女はアメリカ生まれで、両親がそれぞれコスタリカとエクアドル出身らしい。
午前11時半になった。
中南米系の二人に続いて、朝鮮族の男性と韓国人の女性が互いに「또 봐요(ット ポァヨ = またね)」と声をかけて帰宅した。
とりあえず夏休み限定だけど、僕自身も、また来週ね、と言える場所ができたことがうれしかった。
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この団体の活動は、大学院における僕の研究テーマとは直接関係がない。
しかし、移民をめぐる問題は、今日の日本も抱えている。
世界中から移民が集まるロサンゼルスでは、移民支援団体はどのような問題を抱え、どのような方法で支援を行っているのか。
ボランティア活動を通して観察することで、日本に帰国した時に、日本の移民支援団体関係者らにアメリカの状況について、何かしら伝えることができるかもしれない。
そんなことも念頭に置きながら、ボランティア活動に取り組みたいと思う。
・この団体やコリアタウンに関する以前の記事は、こちら。
・ボランティア活動の続報については、こちら。