2013年1月2日水曜日

124年目の伝統、元旦恒例、ローズパレード

ロサンゼルス生活で最初の年明け。
こちらの住民なら誰でも知っている元旦恒例のパレード「ローズパレード(Rose Parade)」を見に行った。

ローズ・パレードは、毎年1月1日、ロサンゼルス郡パサデナ市で開催されている。
目抜き通り「コロラド通り」の約6キロメートルを、色とりどりの花で飾られたフロート(山車)やマーチングバンドなどが約3時間かけて移動するイベントで、沿道は多くの住民や観光客でいっぱいになる。前夜から場所取りをする人さえいる人気だ。地元テレビ局によると、今年は約70万人が観覧したという。

歴史は1890年にさかのぼる。
当時、この地域に住み始めた住民らが、真冬でも花が咲き乱れ、野外スポーツ観戦も楽しめる、カリフォルニアの魅力を伝えようと、この季節に、寒さが厳しい東海岸の仲間らをパサデナに招いたことがきっかけという。その後、マーチングバンドやフロートによる大規模なパレードに発展し、現在に至る。今年は第124回パレードだ。

パレードは午前8時に始まるので、僕らは午前6時半に自宅アパートを出発。7時半前にパサデナ市に到着し、コロラド通りから1キロほど離れた場所に路上駐車。「15ドル」などの看板をたてた即席有料駐車場もあるが、少し早めにいけば、駐車できる場所も見つかる。コロラド通りまで歩き、パレードがある程度、見えそうな場所を見つけた。

というわけで、写真を使って、様子を紹介する。移民の国ならではフロートや楽団もたくさん登場した。

沿道は早朝から場所取りに来た人たちでいっぱいに。
屋根の上にも観客が。
今年はフロート約40台、マーチングバンドなど楽団約20団体、乗馬の隊列約20団体が参加した。

大手テレビ局も生中継するローズパレード。提供しているのは、日本の自動車会社ホンダだ。ホンダの車やスクーターも通りを何度も行き来した。年末に行ったディズニーランドの特別花火イベントもホンダが提供。西海岸での宣伝にかなり力を入れているようだ。

ローズパレードは前日審査によって、いくつかのフロートが賞を受ける。これはテーマ賞を受賞したフロート。アメリカで長い間、愛され続けている子供向け絵本をモチーフにしている。

朝鮮半島の伝統舞踊と音楽も。この団体はロサンゼルスに拠点を置いているので、韓国系の若者たちによる演奏だろう。

日本からはグリーンバンドという楽団が登場。パレード公式サイトによると、島根県出雲市から来ているという。 

パレード途中で、上空に不思議な飛行物体が。初めて見るステルス機はSF映画の乗り物のようで迫力があった。

インドネシア観光省による観光PRフロート。僕と妻の後ろにいたインドネシア人の若者3人は、ここぞとばかりに「インドネシアーーー!!!」と声援を送っていた。

お次の国は、中央アメリカ・エルサルバドルの楽団。エルサルバドル移民の子どもたちも国旗を一生懸命振っていた。

エルサルバドルの楽団の女性らは、カーニバル衣装で登場。

パレードには全米各地から団体が参加する。ジャズ発祥の地ルイジアナ州ニューオリンズからは、音楽の伝統を継承するために活動している団体「The Roots of Music」が参加した。

メキシコからは50年以上の伝統を持つ楽団が参加して、ユニークなダンスを交えた演奏で観客を楽しませた。

午前11時前にパレードは無事終了。観客が帰り始めたころ、もう一つの団体がやってきた。彼らは住宅ローン負債をめぐって大手銀行に抗議する市民団体。華やかで楽しいパレードの後に、現実に根差した抗議パレードが始まるところがアメリカの魅力でもある。

約3時間のパレードはあっという間に終わった。それぞれのフロートもかなり手の込んだものだったので見ごたえがあった。花の飾り付けの作業は、ボランティア住民らが担っているという。
今回、僕らが車を駐車した場所は、コロラド通りから約1キロメートル南側のLos Robles Avenue沿い。少し歩かないといけないが、早朝に体を温める意味でもちょうどよかった。

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