2014年3月6日木曜日

マイノリティのアメリカ人学生、日本旅行へ

この春、海外研修旅行で日本に行くアメリカ人学部生約20人と話をした。

彼らの多くはアフリカ系やラティーノを中心としたエスニック・マイノリティで、カリフォルニア州の外に出たことがない。さらに、彼らはそれぞれの家族の中で、初めて大学に進学した若者たちで、アメリカでは「first generation college students」と呼ばれている。今回、彼らが参加する海外研修旅行は、こうした学生たちに海外について見聞を広める機会を与えようと、僕の通う大学が企画したものだ。

学生らが食文化体験ということで、おにぎりとお好み焼きを食べた後、僕ともう一人の日本人留学生の二人が彼らの質問に応えた。

日本の男女関係はどうか。
日本でLGBTの権利はどんな感じか。
日本の政治家に求められる資質はなにか。
野球は日本の文化にあっているのか。
日本でラティーノはどんなイメージを持たれているのか。
ヤクザは何をしているのか。
・・・・・・
・・・

なかなか一口に答えにくい質問が多かったけど、アメリカに比べてどうか、という文脈でできる限り説明した。

あるアフリカ系の学生が「日本で変なやつ(weird)って思われる人はどんな人ですか」と質問してきた。この質問については、他の学生も、どういう文脈の質問が分かりにくいと指摘。いろいろ話していると、結局、「日本ではどういう人がいじめられるのか」という質問になった。これもこれで難しい。

やや苦し紛れに「周りと違うことをするといじめの対象になることもある」と答えた。するとラティーノの学生が「日本のことわざだったと思うけど、出る杭は打たれるってやつですか」とちょうどいい説明を付け加えてくれた。よく知っているなあ、と感心した。

外国人留学生として海外生活を送ると、今回のように「日本人」としての役割を担うケースも少なくない。日本について質問された場合は、自分の経験や確実な知識に根差した答えを、いろいろな答えの一つとして、慎重に説明するように心がけていきたい。


お好み焼きの具材は、この日のイベントスタッフの大学院生が準備してくれた。日系スーパーで売っている薄切りの豚肉が必要と事前に伝えていたものの、実際には調理済みの中華風チャーシューを準備していた。これをお好み焼きにして食べてみると、けっこうおいしかった。お好みでなんでもいれていいんだ、と再確認した。

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