2013年8月11日日曜日

国境越えて「分かち合い」、移民支援団体のBBQ

ボランティア活動をしている移民支援団体のバーベキューに、妻と一緒に参加した。

バーベキュー会場は、ロサンゼルス市中心部から車で2時間ほど北に行った農園。支援団体メンバーのラティーノ家族ら約40人が参加して、にぎやかなバーベキューとなった。

メキシコ、エルサルバドル、グアテマラ出身の大人たちに加え、アメリカ生まれの子どもたちもたくさん参加した。

食事用のテーブルには、タマル(tamal)など、ラテンアメリカでおなじみの食材が並んでいる。タマルは、野菜や肉を詰めたトウモロコシ粉の生地を、プラタノの皮で包んで蒸した料理。鶏肉が入ったタマルと、フリホーレス(豆)が入ったタマルの2種類が用意されていた。

初めて食べたフリホーレス(豆)のタマル

炭火コンロでは、スパイシーに味付けされた鶏肉ケバブやソーセージが香ばしく焼かれていた。豚肉のスペアリブもおいしかった。


昼食後は小さなテニスコートで、バレーボールの規則に従って、サッカーボールを蹴り、勝ち負けを決めるゲームをした。最初は子どもたちと一緒に遊び、その後は大人だけで真剣勝負をした。

このゲームは、この日、農園を管理していた韓国人男性2人が教えてくれ、一緒にプレーしてくれた。
この農園は、移民支援団体と関係の深い韓国人移民らが、それぞれ資金を出し合って、共同で購入したもの。彼らが交代で、農園で飼育しているニワトリやガチョウの世話や、山小屋の維持管理をしている。

この日、出会った韓国人男性の一人は1990年代、大阪で働いていた人だった。日本語は標準語だけでなく、大阪弁も堪能。関西出身の僕はちょっと懐かしい気持ちになった。

彼らは、国境を問わず誰もが一緒に集まれる場所として、農園を運営しているらしい。
農園の名前も「分かち合い」という意味で나눔(ナヌム)」となっている。


僕がゲームをしている間、妻はラティーノのおばさんやおじさんたちと会話を楽しんだ。

妻は今年6月まで、近所のスペイン語教室に通っていた。
その時に勉強した単語と文法を使って「(支援団体で)パソコンの勉強をしているんですか」と、あるおばさんに声をかけてみた。
すると、「いえ、英語の勉強です」と返事が来るやいなや、スペイン語でたくさん話され、すぐに何が何だか分からなくなった。

その後、おばさんが日本語を教えてほしいと言うので、妻は「こんにちわ、ありがとう、さよなら」と簡単な日本語のあいさつを教えた。おばさんはポケットからメモ帳を取り出して、「adios=sayonara」などと書き込んでいたらしい。

妻は「こちらが話しかける気持ちであれば、向こうもいろいろ話しかけてくれる」と話していた。

参加者は大きな木の下にテーブルやイスを置いて食事と会話を楽しんだ。


午後4時。子どもたちが楽しみにしていたピニャータ(piñata)割りの時間がやってきた。ピニャータは、アメやガムなどのお菓子がたくさん入った紙製の人形のこと。木の枝や天井からピニャータを吊るし、子どもたちが棒でたたき割って、中から飛び出してきたお菓子を拾う。ラテンアメリカでは、誕生日パーティーでおなじみだ。

アニメ映画のキャラクターを模ったピニャータ

年齢の小さい子どもから一列に並んで、順番に人形をたたく。人形を吊るすヒモを、大人が引っ張ったり、緩めたりして、人形を動かす。ぶらぶらと逃げ動く人形を、子どもたちが一生懸命、たたく姿がかわいらしい。小学校の高学年くらいの子どもは力が強いので、目隠しをして挑戦。なかなか当たらないので、周りの人たちから笑顔がもれる。

最後は無事に人形が裂けて、お菓子が飛び出し、子どもたちが一気に群がった。
あるメキシコ人のおじさんは「最近はアメリカ人の子どももピニャータをするらしいよ」と話していた。

ピニャータ割りを見たところで、一足先に帰ることにした。
支援団体スタッフに加え、韓国人男性にもあいさつ。日本語が話せる男性は「友だちを連れていつでも来てくださいよ」と気さくに言ってくれた。

分かち合いは気持ちがいい。異なる国や地域の人々が共生する社会を築くには、分かち合いはとても重要なことだと感じた。

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