メキシコ人男性の友人の赤ちゃんがカトリック教会の洗礼を受けるということで、洗礼の儀式に招待してもらった。赤ちゃんは生後4ヶ月だ。目がくりんくりんで、とてもかわいらしい。今日はドレスのような服を着せてもらっていた。
赤ちゃんが洗礼を受けた教会は、メキシコ人移民が集住している地域にあった。
洗礼儀式の前には、毎週行われているミサがあった。
この日は復活祭(イースター)だったので、多くの信者がミサに参加していた。
ミサは完全にスペイン語で行われていた。神父が祈りの言葉を述べたり、楽団が讃美歌を歌ったり。この日、誕生日を迎えた女の子がいたので、神父が祭壇近くまで呼び寄せ、参加者全員でお祝いの歌を歌ってあげていた。
復活祭当日のミサには多くの地域住民が参加し、座席が足りず立ち見の参加者もいた。 |
ミサの最後には、神父が教会を出て入口前に立ち、続いて教会を出てくる信者を待ち受け、それぞれに「Happy Easter」などと声をかけていた。
ちょうどそのタイミングで、軽食やアイスクリームなどを販売する自動車や手押し車が教会前に現れ、参加者らは何かしら子どもらに買い与えていた。
ミサが終わるころに教会前にやってきた手押し車のお菓子屋さん |
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ミサが終わった午後1時、友人の赤ちゃんの洗礼儀式が始まった。
代父母の男女2人が赤ちゃんを抱え、神父が赤ちゃんの頭に水をかけ、友人夫妻はすぐそばで見守る。
この儀式によって、赤ちゃんは正式にカトリック教徒となる。
代父母は、もしも赤ちゃんの両親が他界してしまったような場合、彼らに代わって赤ちゃんを育てる重要な役割を担う。
スペイン語で、代父はパドリーノ(padrino)、代母はマドリーナ(madrina)と呼ばれる。英語では、代父はゴッド・ファーザー(god father)、代母はゴッド・マザー(god mother)という。
教会には、友人夫妻の両親や姉妹、また友人(僕と妻も含め)も出席し、赤ちゃんがカトリック教徒になったことを見届けた。
赤ちゃんは水を頭にかけられたときは、ちょっと驚いて泣き出しそうになったけど、基本的にはずっとにこにこ興味深そうに周囲を見ていた。
友人夫妻は、ふだんはこの教会には来ないらしい。ただ、復活祭と儀式の日取りが重なったため、近所の教会では手の空いている神父がおらず、自宅から一時間ほど離れたこの教会に洗礼をお願いしたという。
いずれにせよ、そのほとんどがカトリック教徒であるメキシコ系アメリカ人らは、こうした儀式を通して、信仰心だけでなく、家族の絆も強めていっているようだ。
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洗礼儀式が終わった後、教会の近所を車でぐるぐる回って様子をみた。
低所得者向けの団地も整備されていて、生活はしやすそうだった。
メキシコ系アメリカ人の間では、壁画(mural)を描く伝統がある。この地域にも、いたるところで壁画を見つけた。
ある壁画(①)は、地域の多目的施設の外壁に描かれていた。メキシコの先住民文化に対する誇りにくわえ、アメリカ国内で生きていくうえでの教育の重要性などがモチーフになっており、かなり見ごたえがあった。
① この壁画は、ちょうど低所得者用団地の玄関を出た正面にある。圧巻だった。 |
② この壁画も、マヤ文明などメキシコの先住民文化をモチーフにしている。 |
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ちょうどこの日(3月31日)は、1960、70年代を中心にメキシコ系アメリカ人労働者の権利拡大運動を展開したセサル・チャーベス(Cesar Chavez、 1927~1993)の誕生日。大手検索サイト、グーグルのホームペイジのデザインは、チャーベスの記念したものになっていた。
セサル・チャーベスの86回目の誕生日を記念したグーグルのホームページ |
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