その日は午前中、ダウンタウンにあるスキッド・ロウ地区内の鮮魚卸売店に別の友人と寿司用の魚を買いに行った。
スキッド・ロウは日系飲食店が集まるリトル・トーキョーのすぐ南側にあり、ホームレスの集住地域として知られている。
この日も多くのホームレスがボランティア団体が提供する食事を食べたり、路上で仲間と話をしたりしていた。そうした通りから少し離れたところに鮮魚卸売店がいくつかあった。
僕らは午前9時半ごろに卸売店に到着。すると、もうすでに卸売店は店を閉めていた。ある店では日本人社員が出てきて「9時半までなんです。もうキャッシャーを閉じたので、また来てください」と丁寧に対応してくれた。
やや残念な気持ちで路上駐車した車に戻る。駐車した場所はスキッド・ロウ地区のさらに南側のフラワー地区(Flower District)。観賞用植物の卸売店が集まり、朝から多くの客でにぎわっていた。
フラワー地区の通り沿いには花店が連なり、花や鉢植えをかなり安く買うことができる。 |
友人が「せっかくだから、ここでプレゼントの花を買っていこう」と提案し、いくつか店をのぞいてみた。ラティーノやアジア系の人たちが店を切り盛りしている。ちょうど良さそうな花束を見つけたので購入。日本では数千円しそうな立派な花束が5ドルで買えた。
フラワー地区で買った花束。これで5ドル。 |
とはいえ、すでに寿司パーティをすることは決まっているので、新鮮な魚が必要だ。卸売店は閉まっているので、日系人が多く暮らすガーデナ市内の日系スーパーマーケット「マルカイ・ガーデナ店」に高速道路で向かった。
この店では、大きな切り身の生魚が買える。友人いわく卸売店に比べると2倍ほど高いらしいけど、そこでマグロ、ハマチ、イシダイ、アカガイ、エビに加え、マグロの解体時に出た切れ端の一部を購入。この切れ端の身は、大トロ並の脂がのっているけど、大トロの半額以下で買うことができた。結果的にスーパーの方が卸売店よりいろんな種類を少しずつ買えるからよかったのかもしれない。
新鮮なマグロのかたまりをスーパー店員が切り分けていた。 |
店を出ようとしたとき、ちょうど店の入り口近くの飲食コーナーで、なつかしいのぼり旗を見つけた。「食のみやこ鳥取県」。大学院に進学する前に鳥取県でしばらく生活した。当時、県の食材をPRする、こののぼり旗をよく見かけた。
鳥取県のご当地グルメ牛骨ラーメンを売る店に飾られた県食材をPRするのぼり旗 |
どうやら9月と10月、この飲食コーナーでラーメンフェアを開催しており、たまたまこの日は鳥取県の牛骨ラーメン専門店「香味徳」が出店していた。せっかくだから昼ご飯に食べていこうと、友人とこってり牛骨ラーメンを食べてスーパーを後にした。
午後7時、誕生日を迎える友人宅に集まった。日本で寿司を握ったことはなかったけど、ロサンゼルスに来てから、自分で握ったほうが安いので、ときどき握る。こだわらなければ、けっこう簡単に握ることができる。というわけで、無事に楽しい寿司パーティを開くことができた。
大トロ的なマグロの切れ端(写真手前)などを使って、握り寿司を作って楽しんだ。 |
鮮魚を求めて、卸売店に行ったり、日系スーパーに行ったり、さらに寿司を握ったり。それを同じエスニック集団の仲間と食べながら情報を交換する。僕は移民の勉強をしつつ、移民の生活をしている。
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