今学期は東アジアに関わる授業を2コマ受講し、アジア系の院生と一緒に学ぶ時間が増えた。
ティーチング・アシスタント(TA)として関わる授業は、アメリカ史概論。受講している学部生の半数以上はアメリカ出身の学生だけど、中国本土、台湾、香港、韓国、インド、マレーシアなどアジア出身の留学生も多い。加えて、理系の学部生がほとんどなので、これはこれで楽しい授業になりそうだ。
◇
先日、前学期、一緒にTAをした歴史学部の友人らを自宅に招いて日本食パーティーを開いた。
イギリス人と日系アメリカ人、白人のアメリカ人と彼の子ども2人の計5人が来てくれた。
本マグロ、マグロ、ブリ、エビ、ウニ、イシダイの刺身を日系スーパーで購入。握りずしを一緒に作って食べた。トビウオ出汁のお吸い物やキンキの煮物も妻が料理してくれた。日本酒を飲みつつ、深夜0時近くまで会話が弾んだ。イギリス人の友人にとっては初めて食べるものも多かったようだ。
彼女は冬休みはイギリスに帰ったようだが、家族から英語が少しカリフォルニア風に変化してきていると指摘されたらしい。
具体的には、「It's like...」や「I was like...」と「like(~感じ、~みたいな)」を連発したり、「I think」ではなく「I guess」と言ったりするということらしい。アメリカ人の友人らによると、かつてカリフォルニア州内の若い女性が連発していた「like」が、今では全国的に使われるようになったという。
たしかにカリフォルニアの人々の会話にはやたら「like」が含まれているので、実際は会話に何も内容がないんじゃないかという結論に至り、盛り上がった。
その後、アメリカ、イギリス、そして日本の方言や言葉の多様性について話しあった。
アメリカの場合、地域だけでなく、人種・エスニシティ集団の言語的背景によっても発音が異なることがある。多くのアフリカ系アメリカ人の英語の特徴は、アメリカ南部の英語の影響を受けており、エボニックス(Ebonics)と呼ばれている。単語末の子音を発音しないことなどが特徴だ。
ロサンゼルスにも第二次世界大戦中に多くのアフリカ系が南部から移住したため、エボニックスを話す人々をよく見かける。
ラティーノの英語もスペイン語の影響を受けている。両言語が混ざったスパングリッシュ(Spanglish)はよく知られているが、文法的には完全に英語でもスペイン語の発音の影響を受けているケースもある。
スペイン語では「Z」は「セータ」と発音し、「ジ」に近い発音はあるものの、基本的には「ザ~ゾ」の発音はない。たしかに、あるメキシコ料理チェーン店のテレビCMでは「This burrito is amazing」というセリフを、役者が「アメイシング」と発音している。
アジア系はどうだろうか。この日、招待したアメリカ人の友人の一人は日系人。彼女は、アメリカで生まれ育った中国系二世の若者の英語を聞くと、彼らが家庭で使う中国語の抑揚が含まれていることにしばしば気づくという。そのため、相手のエスニシティを聞かなくても、中国系と分かることがあるらしい。スペイン語や南部英語の影響を考えれば不思議なことではないが、中国語の抑揚を伴うネイティブの英語というのもなかなか興味深い。
◇
午後11時半、アメリカ人の友人が子どもらに「もうそろそろ寝る時間だね」と言い、他の友人も帰る準備を始めた。またいつかこういう機会を設けたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿